My Point of View
育児記録のすすめ—好ましい親子関係のために
飯田 美代子
1
1賛育会病院助産婦学校
pp.716-722
発行日 1984年8月25日
Published Date 1984/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206507
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はじめに
新聞の投書欄で,娘が結婚するときに育児日記を持たせたという母親の記事を,ときどき目にすることがある。また,緒方安雄1)はその著書のなかで,一人娘の結婚のときに,彼女の母親が,「いつ笑った」「いつ歯が生えた」「きょうはこれだけのものを食べた」などと彼女の歴史をつづった日記をもって行かせたと書いている。
臨床で母子の看護を行なっていると,母親が,新生児のようす,哺乳量や排泄についてメモしている姿にときどき出会う。母児同室制で病院規定の記録用紙を渡されるときは,記録はやや強制的であるが,母児異室制であっても,授乳後,病室に帰ってから子どものようすや哺乳量をメモしている母親がいる。そのような母親に質問すると,「小さいときのことを残してあげようと思って」とか,特に初産の母親たちは,「子どものことは何もわからないので,家に帰ったら参考になるのではないかと思う」と答えていた。
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