連載 腹帯の歴史・2
着帯のしきたり—戌の日など
石黒 達也
1
1滋賀医科大学産科学婦人科学教室
pp.437-440
発行日 1984年5月25日
Published Date 1984/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206455
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最近は,帯を巻くというと,戍(犬)の日に相場が決まっている。ミルクメーカーが年末に配ってあるくカレンダーには,必ずといっていいほど戍の日が記入されていて,この日は帯を巻いてもらう妊婦さんが,産婦人科の外来へこぞって押し寄せる。帯を戍の日に巻く習慣は,古くからあるように考えられがちであるが,意外に新しい風習である。その代わりというわけではないが,着帯の儀式は昔の方がはるかに面倒臭かった。時代が変われば,仕来りとか風習が変わるのは当たり前のことであるが,今ある風習がいつごろから始まったのか知るのも一興である。そういった意味で,今回は着帯の風習や儀式の移り変わりを追ってみよう。
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