特集 栄養指導と看護のかかわり
女性と肥満
須永 清
1
1千葉大学看護学部(機能・代謝学)
pp.1003-1010
発行日 1982年12月25日
Published Date 1982/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206135
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はじめに
"女性と肥満"というテーマの中で肥満をどのようにとりあげるかによってこの解説記事がより基礎的になるか,より臨床的になるか決まってくるように思います。ここでは前者の立場に立って肥満をあまりこまかく分類や定義づけをせず,原因は種々でも最終的に共通して見られる肥満化の機構にしぼって,それも,より正常な人を中心に生理的肥満について話を進めたいと思います。すなわち身体の脂質成分の全体重中に占める割合が比較する相手より多い場合,より肥満であるということで話をしたいと思います(表1)。
このような立場に立って肥満を考えると,女性は男性より,年頃の女性は女の子より肥満であり,また"やせ"仲間でも脂肪量13%の人は10%の人より肥満であるということになります。そこで,この解説の中でこのような生理的肥満がどのようにして起こるかについて説明ができればと思いますし,一方"やせ"が"肥満"になりたい場合にも利用できるような解説になればと思います。
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