Medical Scope
初期流産とプロスタグランディン
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.53
発行日 1978年1月25日
Published Date 1978/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205325
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第29回日本産科婦人科学会総会,学術講演会が昨年5月に秋田大学の主催で開かれました。多くの産婦人科医が集まり,熱心な研究発表が行なわれましたが,シンポジウムで,「初期流産管理の基礎」という表題のもとで,活発な討論がくり広げられたのが印象的でした。今月はこのなかのひとつの話題であった,初期流産とプロスタグランディンの問題についてお話することにしました。
妊娠初期の流産とプロスタグランディンとの関係についての研究成果を発表されたのは,岩手医大産婦人科の国本恵吉助教授です。国本先生は以前からプロスタグランディンについて研究され,日本ではこの道の権威としてよく知られています。また,最近では,プロスタグランディンが薬剤として,分娩誘発などにも用いられており,私たちになじみの深い名前となってきた折から,流産とも関係があることをきいて,やっぱりそうかと舌を打ったのは決して私ひとりではないでしょう。
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