特集 社会の中の助産婦職
助産婦の専門性を考える—日本看護協会助産婦部会大阪府支部における昭和50年度教育委員会活動の報告
藤沢 洋子
1
,
金崎 玉恵
1
,
川原 淳子
1
1日本看護協会助産婦部会大阪府支部
pp.232-237
発行日 1977年4月25日
Published Date 1977/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205192
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1.はじめに
わが国における助産婦と他の看護職の発生過程は,歴史的にみて大きな相違がある。即ち助産婦は,他の看護職に先んじて発生し独自の資格と職分をもっていた。しかし第二次世界大戦後,GHQ(連合軍総司令部)の指導により新しい看護制度および看護教育制度として保健婦助産婦看護婦法が制定され,看護職の位置づけが改められた。そして医療の概念が拡大され,それに伴って看護の概念も拡大した。その結果,看護教育(保健婦助産婦を含む)カリキュラムの改正があり,一方,看護協会では組織の一本化,すなわち保健婦助産婦看護婦の一元化が検討されるようになった。このような動きの中で助産婦は,助産婦自身の位置づけまたは専門性の不明確さを感じ,自分たちに向かってそれを問うている昨今である。
この度,日本看護協会助産婦部会大阪府支部では,"助産婦の専門性を考える"というテーマで1年間を通して会員それぞれが考え,またそれぞれの意識の高揚をはかる目的で講演会および討論会を計画し実施したので,その概要とそれに対する教育委員の反省を添えて報告する。全国の仲間からのご批判とご指導をいただきたい。
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