連載 キャンパスだより
—香川県看護専門学校公衆衛生看護助産学科—一年の重みを今
宮本 政子
pp.488
発行日 1975年9月25日
Published Date 1975/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204923
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いまだに正確な名前がスラスラと書けないほどの長くて立派な校名とはウラハラに,校舎も設備も貧しく,それでも,5階建の鉄筋コンクリート造りの,5階の小さな教室からは,瀬戸内海の島々や白波が,また,紫雲山というやけにロマンチックな名前の山々が見渡せるのです。実際のところは,景色などゆっくり眺めることはなかったし,その心の余裕もなく,暇さえあればウタタ寝をしていたように思えます。
私がこの学校に入学した動機と言えば,家から近いというだけのことでした。20名のクラスメートのうち,私に似た考えの人が何人か,そして他の何人かは短期に2つの資格がとれるという単純な気持ちだったように思います。しかし学校の掲げる理念はそんな安易なものでなく,公衆衛生,母子保健,助産活動の各分野の知識を深めることで,活動を推進してゆける,より専門的な看護者を育成しようとするもののようでした。
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