ケース・レポート
慢性腎炎を合併した妊婦の例
藤野 千恵子
1
1国立京都病院産科病棟
pp.290-293
発行日 1975年6月25日
Published Date 1975/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204868
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1.はじめに
妊娠時の合併症として最も数多く遭遇する疾病に妊娠中毒症があげられる。近年妊娠に対する知識の普及,妊婦管理の向上により減少傾向にはあるが,いまだに妊産婦死亡の上位を占めている。
今回私たちは,15歳より慢性腎炎に罹患し,内科管理のもとで妊娠,当初より慎重に妊婦管理を行なったが,徐々に妊娠中毒症の悪化傾向がつづき,ついには妊娠中絶に至った事例を経験した。その臨床経過をふりかえり,助産婦の立場から妊娠中の指導,看護について検討を加え報告する。
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