特集 胎盤計測がもたらす情報
異常編
出血の多い胎盤の付着部位と形態
pp.661-663
発行日 1974年12月25日
Published Date 1974/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204793
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胎盤の付着部および形態が後産期の出血量にある程度の影響を及ぼすということは衆知の事実である。双胎のように付着面積の大きい胎盤,子宮壁に不規則に広く付いた胎盤,子宮口近くにまで下降した胎盤,これらは出血を起こしやすい胎盤の代表的なものであろう。この中の一部についてはすでに前項の各所でふれてきたので,ここでは今まで取りあげていない例やとくに注意を要する例について述べてみたい。
図26-1より図26-3までは4,100g以上の巨大児分娩例である。その胎盤は図26-1および図26-3はS1型,図26-2はS3型で,形および付着部位からいえば正常型であるが,胎盤の大きさ,重量ともに異常に大きく,子宮の一方の壁に広くひろがって付着していることは出血の大きな要因となっている。事実いずれも500ml以上の出血を起こしているし,胎盤娩出時および胎盤娩出後の出血が多い。
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