特集 家族計画指導を考える
女子健康手帳を実施して
大川 知之
1
1福島県立三春病院
pp.36-40
発行日 1973年11月1日
Published Date 1973/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204605
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1.はじめに
当県立三春病院は開院(昭和26年2日1日)以来20有余年,地域医療の確保を使命に,迂余曲折はあったにせよ,りっぱにその責を果たしてきたものと思う。しかるに今日,その老朽化がはなはだしく,時あたかも公的医療機関の転換期でもあったので,その存廃が論ぜられるようになってきた。かつまた20年以前と今日では交通事情が一変し,さらに町内医療機関の増加は,単なる病院の改築だけでは,公的医療機関の必要性は全く失われたものと言える。
いっぽう当三春町を含めた田村郡,そして周辺のいわゆる阿武隈(あぶくま)山系は乳幼児死亡率が全国平均の約2倍と高く,県当局もその早急な施策にせまられていた。そこで私は,県内の地理的位置からして当病院を,母子医療を中心とした病院に改組することによって,公的医療機関の意義をもたせ,合わせて乳幼児死亡率の改善に役だてばと思い,昨年9月院長を引受け再建に取り組んだのである。
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