特集 食品公害と妊婦の食生活
私と読書
背筋が冷たくなる公害の不安—「食品・薬品公害」を読んで
長崎 仁子
1
1葛飾赤十字産院
pp.21
発行日 1973年9月1日
Published Date 1973/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204571
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最近機会を得て,1日保健指導室に勤務したときのことです。久し振りに妊婦たちとゆっくり対話の時間がもてることと,緊張の連続の分娩室勤務から束の間でも解放されることで,弾んだ気持ちで出かけていったのです。がしかし,私はそこでホッとするどころか,返事に窮して立ち往生することが度々でした。
公害,公害と騒がれて久しくなりますが,私自身今まで関心が薄かったせいか,妊婦の訴えを聞くまでこれほど公害に対して大きな不安をもっているとは思ってもいませんでした。‘PCBに汚染された母乳栄養への不安’や‘食品のPCB,農薬汚染,中性洗剤の毒性が胎児や母体に与える影響’等々に,不勉強な私は何一つ納得のいく答を与えることができませんでした。
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