研究
出生児における新生児の身体計測値と諸指数について
高野 陽
1
1国立公衆衛生院母性小児衛生学部
pp.19-26
発行日 1970年5月1日
Published Date 1970/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203927
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I.はじめに
新生児の出生時の体位を十分把握しておくことは母子保健に従事するものにとって重要なことである。それは新生児の生命予後,身体発育,精神運動機能発達に影響を与えるものと考えられるからである。
一方,新生児の成熟度を知るためには,出生体重をみることがまず行なおれていた。また,古くから成熟徴候,未熟徴候として新生児学,助産学の成書にいろいろの所見が述べられているが,これらだけを参考にしていたのでは不十分であることはいうまでもない。たとえば,出生体重だけを考慮したとき,同じ体重の2人の新生児でも,一方の児は全く未熟な徴候が見い出せないが,他方の児は皮下脂肪組織の発達が悪くて見るからに未熟だとわかる。このようなことはだれもが経験していることである。出生体重のみを参考にして成熟度を判定することは疑問が多い。
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