連載 母性教育講座
更年期
更年期の精神衛生
新福 尚武
1
1東京慈恵会医科大学精神神経科
pp.19-23
発行日 1968年9月1日
Published Date 1968/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203617
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われわれの一生には精神衛生上3つの大きな危機がある.つまり,精神障害の多く起こる時期,あるいは精神障害を起こしやすい素因の多くつくられる時期が3つあるというのである.第1は乳幼児期,第2は思春期,第3は更年期である.
乳幼児期は精神健康の基礎づくりの時期で,この時期がうまくいかないと知能,性格など基礎的なものが障害され,一生不健康をつづける.思春期は心身ともに大きく変化する時期であるが,身体的には第2次性徴の発達が,心理的には自我のめざめ,自我欲求の台頭が中心になる.精神分裂病,躁うつ病,ノイローゼなどが多発する.第3の更年期は,思春期と逆に性機能の調落する時期であるが,同時に身体的・心理的にいろいろの問題をもつ.そのため,この時期から精神障害が多くなる.
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