新生児・乳児の対症看護シリーズ 発育異常
精神
宇留野 勝正
1
1東京都糀谷保健所
pp.18-23
発行日 1967年10月1日
Published Date 1967/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203463
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I.乳児期の精神発達
一般に精神というと思考力,判断力,記憶力などというような機能が主として考えられがちであるが,乳幼児の場合はそれらの発達はあまり問題にされず,むしろその準備状態とか,他の神経の作用や機能との関連の方がむしろ問題とされるのである.すなわち感覚,運動,神経,知能,情緒,社会性などのうち乳幼児では感覚,運動,神経などの発達が主としてとりあげられているわけである.要するに乳児の精神発達というものは知的機能の表現というより,知覚や運動機能の発達の方がまずあらわれ,その後多少の情緒や社会性の発達が加わるという順序であるということである.それで後述の乳児の精神発達検査には,そのようなむしろ間接的と見えるような発達テストの問題が数多くとり入れられているわけである.
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