母もわたしも助産婦さん
開業助産婦の良さをわかってもらいたい
桂川 イヨ
pp.18-19
発行日 1966年12月1日
Published Date 1966/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203307
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今年で母の開業歴は,39年くらいになるであろうか.一口にいうが,現在の自分が育ってきた年月より,はるかに長い期間なのである.幼なくして母をなくして独立心に燃えた母は,看護の免許をとり,さらに助産婦の免許をとった.その行程は,現在最前線で活躍していられる方々の通った道と同じであると思われる.当時の女子としては,先端的であったことと思う.24歳の若さで開業を始め,結婚して26歳で現在の西多摩の片すみに,岐阜より出てきたという.その後から現在までの間に介在する苦労は,今の私たちには,想像もつかぬくらい嶮しい道であったに違いない.何ごともひかえ目に行なうかに見える母の心根は.闘志満々と燃えつづけている.これも開業歴の苦労の中から,しっかりと自分自身のものをつかんだ姿なのであろう.
卒業してかれこれ10年,実家の母も助産婦であった自分であるから,現在の母や,そうでない人々に比して,スムーズに開業助産婦の生活に入れたのは当然のことと思う.
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