インターホン
面会人の心得
中山 てい
1
1国立東京第一病院産婦人科
pp.45
発行日 1966年3月1日
Published Date 1966/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203151
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「ご面会時間は午後3時から7時まで,お子さまのご面会はご遠慮ください」と入院案内に書いておいても,病棟の入口に記しておいても,オリエンテーションに組み入れてあっても容易に守られていません.
いつも手にあまるほどの仕事に追われ続けて一人一人に十分説明する時間の乏しいことと,何よりも非常にいいにくいことのために,いよいよ目にあまって口を開く時には自然に堅い表情と言葉になりがちです.連れてきた母親は「ぼうやおとなしくしてないと看護婦さんにおこられますよ.ほらほらおいたしてはだめ走っちゃだめ」と,子どもを叱ります.インターフォンが鳴るのでやりかけた仕事を中断して行ってみると褥婦さんに呼ばれたのではなくて面会人についてきた子どものいたずらであったりすることがありますが,それはさておき「看護婦さんにおこられるからおやめなさい」とか,静かにしていれば子どもを連れてきてもいいだろう,という考え違いをしている母親に「なぜ子どもの面会は遠慮してほしいのか」の理由を細かく書いて貼り出しても果たして読んでもらえるだろうか.読んでくださったとしても「でもちょっとだけくらいなら」と褥室にはいってしまうようです.
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