わたしたちの研究
憤怒痙攣
斎藤 宮子
1
,
佐々木 順枝
1
1武蔵野赤十字助産婦学校
pp.36-37
発行日 1965年11月1日
Published Date 1965/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203076
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1.怒り
怒りとは子どもがやりたいことを阻害されたり,欲求がかなえられなかったときに,それに抵抗しておこる情緒であります.そしてそれは,一時的な爆発的な行動によって表現されます.たとえば,多くのでたらめ運動を伴う腹立ち,長時間にわたってすねたり,またダダをこねたりする,不機嫌で強情ぱりになり,さらには沈黙,不従順があらわれるのです.このような怒りの原因には
1)子どもの欲求がかなえられなかったとき.
2)禁じられたことをして叱られると思っているときや,また,叱られている最中.
3)兄弟への嫉妬.
4)おねしょうをしてしまった次の日の夜.などがありますが,誘因としては,
1)便秘,空腹のとき.
2)疲れているとき.
3)病気のとき.
4)祖父母が同居している家庭の子ども.
5)躾に一貫性のない家庭の子ども.
6)ひとりっ子,姉妹の中のただひとりの男の子,などがいわれております.
子どもの怒りは欲求不満に対する反応のひとつですが甘やかされて育てられた子,必要以上の親の要求がつよい子,などこうした家庭の子どもに特におこりやすいということはよく知られていることでしょう.
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