グラビヤ
ドヤ街の母子とともに—助産婦平田マキさん
pp.2-8
発行日 1965年10月1日
Published Date 1965/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203049
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江東区深川高橋に,通称"高橋"ドヤと呼ばれるドヤ街がある。約100軒ほどの二階建ての簡易旅館が建ち並ぶ一帯で,都電通りから200〜300メートル入ったところだ。東京にはこの地域のほかにも,山谷をはじめ両国緑町,麻布など約7か所にドヤ街と呼ばれる地域がある。高橋地域は,山谷につぐ大きなドヤ街で現在人口5000〜7000人と推定されるが,地域の特殊性からはっきりした数字はつかめない。旅館数100軒のうち,旅館法に基づく正規の旅館はたった1軒,あとの99軒は全部簡易宿泊所,いわゆるドヤである。1軒のドヤの世帯数は20〜25世帯で,家族は平均3〜4人であるが5〜8人の世帯もある。山谷とちがって高橋ドヤの特徴は,世帯持が多くそのためにまた多くの問題が出てくるのだ。この高橋ドヤに"先生"と呼ばれて親しまれ,ドヤの相談役として尊敬されている助産婦さんがいる。ドヤの住人に献身的につくしている平田マキさんの姿を紹介してみよう。
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