母性保健特集講座 分娩の異常
異常分娩にならないように
中村 ケイ子
1
1熊本大学医学部付属助産婦学校
pp.10-13
発行日 1964年6月1日
Published Date 1964/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202766
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
異常分娩と診断される多種疾病の中で,とくにテーマとしてなげかけられた早期破水に対する保健指導の内容,すなわち早期破水にならないようにという考えのもとに,未熟ながらこの稿をまとめてみたいと思います.
だれしも月経の閉止にともなって妊娠の成立の疑いも濃くなると,産科医または助産婦をたずねてその診察を乞うものです.そしていよいよ妊娠の診断を受け,妊娠の届け出をすませて母子手帳を手にすると,切実に自分の安産を祈り元気な赤ちゃんの誕生を心から願う気持ちに変わってくるものです.しかし,事実はこの妊婦のせっかくの楽しい夢も悲惨に破られてしまう異常もそうとうに多く発生し,私ども助産婦をしてしみじみと妊娠中の摂生の必要性,すなわち保健指導の徹底的実施に努力しなければならないと痛感させられるのです.これから述べる早期破水も私どもの妊娠中の指導いかんによっては,現在成書に現われている10%前後の頻度をさらに低下させることができると思います.
Copyright © 1964, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.