母性保健特集講座 分娩
オキシトチンテストによる分娩開始時期の推測
梅沢 実
1
1横浜市立大学産婦人科
pp.14-16
発行日 1964年2月1日
Published Date 1964/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202690
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分娩がいつ開始するか,子どもがいつ生まれるかといった問題は,われわれお産にたずさわるものとして非常な関心事であり,ぜひ知りたいことである.そこでこの点について従来多くの人々によって種々研究検討が行なわれてきたが,さて実際問題として少なくとも今日においては,分娩開始を予知し得る簡単かつ確実な方法は見当たらない現状である.それというのも,分娩がどうして起こるか,そのカラクリについては今日なおほとんどわかっていない現状においては,けだしやむをえないことかもしれない.しかしそれはそれとして,現在われわれは分娩開始時期の予知をどのようにしているかというと,従来は最終月経の初日から起算して280日めを分娩予定日とする月経閉止に基づく分娩予定日算定法,あるいは腹緊,尿意頻数,残尿感,胎動減弱,腟分泌物増量などの分娩切迫の臨床症候などによって予知していたが,最近では腟細胞像の所見,あるいはオキシトチン注射による子宮筋の収縮感受性の有無(オキシトチンテスト)による予知法が活用されるようになった.そこで,ここでは表題に基づいてオキシトチンテストとはどんなものであり,どんな意味をもっており,じっさいに分娩開始時期の予知の上にどの程度役だつものであるかについてそのあらましを述べてみたいと思う.
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