母性保健特集講座 妊娠
日本の妊婦のRhの現状
一宮 勝也
1
1東京医科歯科大学産婦人科教室
pp.26-29
発行日 1963年10月1日
Published Date 1963/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202623
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■はじめに
妊婦とRhといいますと,第1に新生児重症黄,新生児赤芽球症および胎児水腫症などの母児間の血液型不適合妊娠,第2に妊婦への輸血という2つの問題が考えられます.
最近では医学関係者はもちろん,一般の人々も新聞やテレビなどによってRh式血液型について知っておられることと思います.このRh式血液型は1940年にランドスタイナーらによって発見されノーベル賞を受けたのですが,それ以前にレビインらが妊婦の血清中に不明な抗体を認め,1941年には血液型不適合妊娠の発生を研究して,これまで原因不明であった新生児赤芽球症を完全に解明しこれまで不幸な転帰をとった多くの新生児を救うことができるようになったのです.このほかこの血液型は産科領域だけでなく,輸血はもちろん人類学や法医学などでも広く応用されております.
Copyright © 1963, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.