巻頭随想
母子像
大浜 英子
pp.9
発行日 1962年5月1日
Published Date 1962/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202326
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母と子のかぎりない愛情をたたえた姿を,だれでも,母子像にみる.母子像は,有名なもの無名なもの,ピンからキリまであるが,そのどれもが,みるひとのこころに訴えるのは,母と子の結びつきの美しさとよろこびであろう.それほど,母と子は離し得ないもの,離れられないものなのである.離れられないというより,母を離れて子は生活できないのである.保護されねばならないのである.
ところで,母から離れていなければならない子,母の眼のとどかないところで,ある時間をすごさねばならない子がたくさんいる.働いている母の子がそれ,母の眼がとどかなくとも安全な場所にいるのならそれでよい.むしろ,朝から晩まで,母がつききりより,それがしつけの上によいことは,すでに専門家によつていわれている.
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