--------------------
話し合いの中から
N
pp.51
発行日 1961年10月1日
Published Date 1961/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202217
- 有料閲覧
- 文献概要
どんな職場にいても,どんなところにいても,働くものの哀歓はおのずから共通したものがある.生活の中から生まれてくる喜こびや悲しみは,それが表面異つたものに思えても,その底を流れるものは共通のものがある.助産婦の苦しみは助産婦だけの苦しみではない.それは看護婦にも保健婦にも共通の苦しみであり,あるいはもつと他の職域で働く人口ともつながつている.
自分たちだけが特別なのではない.社会にはそれぞれの悩みを持ち,苦しみを持ち,しかもその吐き口を知らずにいる人たちが大勢いる.お互に胸を開いて話し合うことだ.例えば,勤務助産婦と開業助産婦の間はどうだ.現状では,それぞれ相手の立場を知る機会もなく,相手の条件を知ることもなくお互に孤立している.孤立しているから自然に疎遠になる.そして,それぞれが狭い範囲でそれぞれの問題を抱えて苦しんでいる.生活が多忙なこともあるだろう.しかし,もつとお互に話し合う機会を作ろう.お互を理解し合おう.その中からあるいは苦しみの解決が生まれてくるかもしれない.喜こびも悲しみも共に分かち合いながら生きて行こう.
Copyright © 1961, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.