研究
子宮破裂分娩の1例について
山崎 きよ
pp.17-18
発行日 1960年1月1日
Published Date 1960/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201829
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27歳の経産婦,山間に位する農家の主婦,体格栄養共に中位,家族歴,特記すべきことなし.昭和26年2月結婚,夫健在,月経歴初潮は14歳と9カ月にて見る,月経は順調で,周期は28日から30日型,持続日数4日間,妊娠歴.初回分娩予定日は2月15目,予定日に陣痛発来,開口期まで16時間を要し,娩出期,7時間にて3188gの女児を鉗子分娩,2回目の出産予定日,1月8日,1月22日,早期破水にて,開口期9時間娩出期5時間にて,3450gの男児を分娩.
3回目,予定日は10月26日,10カ月末の診察所見は,腹囲95cm子宮底30cm第1頭位にして骨盤に固定し,児心音は,左臍棘線に聴取す,尿蛋白(-),血圧最高127,最低85,浮腫(-)分娩歴,12月15日午前10時,陣痛発来,午後2時強度の陣痛発作あり,内診所見 児頭は骨盤入口にあり,子宮口四指開大,出血なく,卵胞形成し,児心音は,正中線上に著明に聴取す,間断なき,過強陣痛がくり返され,午後5時30分子宮口全開大,児頭は漸く濶部に進行,その間自然排尿1回,6時,陣痛がやや遠くなつて来たと思う間に,突如,右下腹部に激痛を訴え,続いて右大腿部がつれて来たと訴え,あれほどの過強陣痛は,全くなく,産婦は冷汗を流し,腹部の苦痛を訴う.顔面蒼白,脈膊頻数となり,一般状態が不安となり,家人に産科医の往診を依頼す.その後4〜50分経過,30g程度の鮮紅色の出血あり産婦はますます強烈の腹痛に苦しむ.
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