講座
妊婦の高蛋白食餌の理論と実際
竹内 正七
1
1東大産科婦人科学教室
pp.60-68
発行日 1957年8月1日
Published Date 1957/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201326
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.緒言
妊婦の栄養は妊婦自身の健康を保つと共に胎児の発育を良くし,生活力旺盛な新生児を出産する様に考慮したものでなければならない点に特異性がある.即ち,母体にとつては妊産婦死亡の最大原因である妊娠中毒症を予防する事が大切である.
ところが,従来の見解からは,母体と胎児の双方を満足する様な栄養学がなかつたのである.と云うのは,健康な新生児を出産する為には,妊婦は高蛋白食を摂取する必要があるのであるが,一方,この高蛋白食は母体の妊娠中毒症の発生を多くし,又悪化させると信じられていたからである.
Copyright © 1957, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.