口絵
X線による産科学的診断(2)—多胎のレントゲン撮影像
pp.2-4
発行日 1955年6月1日
Published Date 1955/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200856
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
これは多胎のX線写真である。前号では骨盤位のX線写真を掲載したが,産科に於ての診断の確定にX線撮影を行うということは骨盤位の場合よりも,むしろ多胎のうたがいの時の方がはるかに其の率が多い。
多胎妊娠の診断の条項には次のようなことがあげられている。子宮が異常に大きいこと。子宮の増大が急速なこと。子宮底又は子宮の前面に溝が触れること。腹部のあらゆる部位で胎動が触れること。触れることの出来る2個の胎児端の距離が30cm以上あること。体重の増加が異常なこと。浮腫が強いこと等によつて多胎のうたがいをおき,そのうえに2個以上の児頭を触れるとか又は1分間に少くとも8〜10以上の差のある児心音を2カ所で聴き,その中間に全く心音の聞えない部位があつた場合には診断は確定する。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.