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水子供養
pp.42-43
発行日 1954年11月1日
Published Date 1954/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200735
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秋の彼岸……9月23日……に東京芝の増上寺を訪ねてみました.折から本堂では,右手に法悦協会供養部,左手に大本山増上寺の1対の花輪,中央には「水子之霊」の位牌が安置されて,水子の供養がとりおこなわれていました.
10時30分,大僧正の訓話があり,11時半過ぎ雅楽が奏でられ,法要がいとなまれました.緋の衣につつまれた大僧上の撒花,読経,南無阿弥陀仏の唱和……絶え間なく楽の音は堂に流れ,陽の光を知らない亡き霊への懺悔が本堂を充しました.父母に,祖母に手をひかれながら,人の集りにあどけなく嬉ぶ幼児達をみては,この子らの弟妹の成長を想いやつてむせび泣くのも親子の情でしよう.この日の参詣は4〜500名でしようか.たかれた香は秋晴れの芝山内に流れました.
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