短歌のまどい
若山牧水について
美山 藤野
pp.54-56
発行日 1954年8月1日
Published Date 1954/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200676
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幾山河こえさりゆかばさびしさの果てなむ国ぞ今日も旅行く
これは若山牧水の代表歌といわれていて古くから人口に膾炙されています.自然主義的な哀傷はいそがしい人生の旅をつづけてゆく私たちにも胸うつものがあります.
牧水は日向の国耳川の上流にある細長いい峽谷に生まれました.牧水の牧は母のまきよりとつたといわれています.牧水が他日酒を友として山谷をあるき,旅をつづけていつたのも,こんな生れながらの境地からでもあつたのでしよう.
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