連載 チーム医療を支えるリハビリテーション看護・第3回
リハビリテーションからみるスキンケア
稲熊 清人
1
,
小栁 礼恵
2
Kiyoto Inakuma
1
,
Hiroe Koyanagi
2
1藤田医科大学岡崎医療センター看護部
2藤田医科大学保健衛生学部社会実装看護創成研究センター
1Department of Nursing, Fujita Health University Okazaki Medical Center
2Research Center for Implementation Nursing Science Initiative, Fujita Health University
キーワード:
褥瘡
,
IAD
,
スキンケア
Keyword:
褥瘡
,
IAD
,
スキンケア
pp.1335-1338
発行日 2024年12月10日
Published Date 2024/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203292
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はじめに
リハビリテーションにおいて,患者の日常生活における活動性を高め,家庭を含む社会への参加を促すためには,多職種連携によるチーム医療が重要となる.近年では,地域包括ケアシステム推進のため,リハビリテーションと看護の連携によるチーム医療の体制構築が進められている.そうした体制のもとで質の高い医療を提供することにより,患者が病院から地域へと活動の場所を移行させていくことが期待されている.そのためには,例えば障害高齢者の日常生活自立度(表1)1)なども考慮しながら,患者の活動の拡大や支援者・介護者の負担軽減を念頭に置いたケア計画が重要となる.
リハビリテーションと看護の連携について,診療報酬の側面からみてみると,算定要件にリハビリテーション職員,看護師が要件となっているものがあり,例えば「褥瘡ハイリスク患者ケア加算」,「排尿自立支援加算」,「早期離床・リハビリテーション加算」などが挙げられる.このうち「褥瘡発生」と「排尿自立」は,いずれにおいても日常生活自立度と深く関係しており,活動性が高くなることにより問題発生リスクの回避が可能となる.しかし,活動性が高くなる過程で圧迫・摩擦・ずれによる「褥瘡発生」のリスクも高まり,また「排尿自立」に関しては「失禁関連皮膚炎(incontinence-associated dermatitis:IAD)」の対策が必要となる.これらは看護師が同時進行で対応することが求められる課題であり,リスク軽減と予防を目標とするスキンケアの考え方が重要となる.本稿では,患者の日常生活の活動を高める過程において実施するべきスキンケアについて看護の視点から解説する.
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