巻頭言
がんリハビリテーションとの出会い
杉浦 英志
1
1名古屋大学大学院医学系研究科総合保健学専攻
pp.685
発行日 2024年7月10日
Published Date 2024/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203153
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筆者とがんリハビリテーションとの出会いは,現在の所属となる前の愛知県がんセンターに在職していたときのことです.それは2002年のことであり,整形外科部長として着任いたしました.着任当時,まだリハビリテーション部はなく,非常勤の理学療法士が1名のみであったこともあり,がん患者に対してのリハビリテーションについては整形外科領域の術後患者が主な対象疾患でした.
その後,手術以外で日常生活動作の低下した患者の維持的リハビリテーションの需要が増えてきました.リハビリテーション処方が増えるにつれ,非常勤の理学療法士のみでは対応が追いつかず,常勤の理学療法士が必要になりました.しかしながら,がん専門施設においてはリハビリテーションスタッフの定員の確保は難しい状況でした.その後,終末期がんの緩和ケア患者や化学療法患者,頭頸部がん,乳がんの患者など適応範囲が徐々に拡大し,さらにリハビリテーションの需要が増して行きました.病院側に窮状を説明し,2年ほどして常勤の理学療法士2名を雇用していただきました.
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