Japanese
English
特集 転倒 どう防ぐ?
視覚障害への対策
Measures against vision impairment
清水 朋美
1
Tomomi Nishida-Shimizu
1
1国立障害者リハビリテーションセンター病院第二診療部
1Department of Medical Treatment(2), Hospital, National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities
キーワード:
視覚障害
,
接し方
,
誘導
,
歩行訓練士
,
ホーム転落
Keyword:
視覚障害
,
接し方
,
誘導
,
歩行訓練士
,
ホーム転落
pp.389-395
発行日 2023年4月10日
Published Date 2023/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202799
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はじめに
視覚障害者は転倒しやすいということは以前より知られている.国内の視覚障害者は身体障害者手帳(以下,手帳)ベースでは約31.2万人とされ,このうち70歳台以上が過半数を占めている1).また,日本眼科医会2)の調査によれば,日本には約164万人の視覚障害者がいると報告されている.実際には手帳基準相当の視機能であっても手帳取得をしていない視覚障害者が多いことを考えると,手帳ベースのデータよりかなり多くの高齢視覚障害者が潜在している可能性は高い.日本は世界トップの超高齢社会であり,高齢視覚障害者も急増している.また,視覚障害と転倒の関係も以前より知られており,特に海外からの報告が多い3,4).高齢,視覚障害という2つの転倒リスク因子を持つ高齢視覚障害者に対する転倒対策は,リハビリテーションにかかわるスタッフにとって今後ますます重要かつ不可欠であると考えられる.本稿では,視覚障害の特徴,転倒・転落の現状,接し方の基本,公共インフラの現状と対策についても言及しながら,視覚障害の転倒対策について概説していきたい.
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