編集後記

　「老いるショック」とは—みうらじゅん氏考案の老いを陽気にかわすための呪文だそうです．校正作業に老眼鏡が手放せなくなり，「老い」を身近に感じ始めた中，「老いるショック！」と唱えながら制作作業を進めた今月号は5年に1度の増大号です．創刊50周年を迎えた本増大号のテーマは「加齢」．

　2020年の日本人の平均寿命は男性81.56歳，女性87.71歳．弊誌が創刊した1973年は男性70.70歳，女性76.02歳ですので，約50年で男女とも10歳以上も延びました．65歳以上の高齢者人口は3618万人で，総人口に占める割合（高齢化率）は28.8％（2022年1月時点）．高齢化のスピードも割合もダントツで世界のトップを走っています．超高齢社会を迎え，本来おめでたいはずだった長生きが「リスク」と考えられるようになってしまいました．実際多くの若者が「長生きしたくない」と思っているとも聞きました．間もなく訪れる「人生100年時代」．誰もが充実した一生を送り，安心して老後迎えることができるシステム作りが必要です．若者たちが「長生きすることは幸せなんだ！」と思える社会になってほしいと思います．