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編集後記
川
pp.806
発行日 2014年8月10日
Published Date 2014/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110611
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ずいぶん前に読んだカレル・チャペックの小説「山椒魚戦争」.南の島で発見された知能の高い山椒魚が人間によって言葉や道具の使い方を教え込まれ,人間の代わりに労働をするようになる.そのうちにものすごい勢いで繁殖し,そして進化し,やがて自立に目覚め,ついには人類を追い詰めていく……というお話.なぜいきなり「山椒魚戦争」かというと……今月の特集で取り上げたのは「医療福祉ロボット」.そして,作者のチャペックは「ロボット」という言葉の発明者だから.つまり,こじつけです.すいません.さて,戯曲『R・U・R(ロボット)』は読んだことはありませんが,調べてみると,やはり人間の代わりに労働をするものとして開発されたロボットが人類を破滅させる……という内容だそうです.ちなみにこのようなテーマにみられる,「創造へのあこがれと,被創造物によって人間が滅ぼされるのではないかという恐れ」,これを「フランケンシュタインコンプレックス」というそうです.特集でも触れられていますが,西欧ではロボットの進歩に対する抵抗のようなものがあるということです.
毎月悩まされる編集後記のネタ探しですが,いろいろためになってます.
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