Japanese
English
特集 半側空間無視
病態と診断
Unilateral Spatial Neglect: Definition, Diagnosis, and Mechanisms.
石合 純夫
1
Sumio Ishiai
1
1東京都神経科学総合研究所リハビリテーション研究部門
1Department of Rehabilitation, Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience
キーワード:
半側空間無視
,
BIT(Behavioural Inattention Test)
Keyword:
半側空間無視
,
BIT(Behavioural Inattention Test)
pp.7-13
発行日 2001年1月10日
Published Date 2001/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109393
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はじめに―半側空間無視とは―
半側空間無視とは,大脳半球病巣と反対側の刺激に対して,発見して報告したり,反応したり,その方向を向いたりすることが障害される病態である9).基本的には,頭部や視線の動きを許した状況下で生じる症状である17).
半側空間無視は,感覚性入力としばしば運動を伴う出力(反応)との密接な関係の中で生じる.また,左側から呼びかけても右側を探すというように,視覚モダリティに限らない右方向への反応傾向も特徴である.したがって,半側空間無視は,幅広い感覚モダリティからの入力と運動性または言語性の反応との連関において,空間的偏りが生じた病態である.
また,患者はその病態に対して無関心であることが特徴である.半側空間無視は,急性期を除けば右半球損傷後に生じる左無視がほとんどである.そこで,本稿で「半側空間無視」とした場合,左側の無視を指すこととする.
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