Japanese
English
実践講座 リハビリテーションにおける臨床心理学的アプローチ
2.家族療法
Practical Application of Family Therapy in Rehabilitation.
高橋 玖美子
1
Kumiko Takahashi
1
1日本福祉大学
1Nihon Fukushi University
キーワード:
家族
,
家族療法
Keyword:
家族
,
家族療法
pp.726-730
発行日 1997年8月10日
Published Date 1997/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108445
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はじめに
21世紀の高齢社会は在宅介護時代と言われ,リハビリテーション医療にとって家族はさまざまな意味で重要な存在になってきている.ある身体障害者実態調査では1),身体障害者の8割以上が18歳以上の中途障害者で占められており,また障害者の9割が在宅で生活していると報告しているが,いずれにしろ障害者の多くは,多かれ少なかれ家族の介護を受けざるを得ないのが現状である.
この障害者の介護をめぐる家族との人間関係は,障害者を抱えた世帯の経済的な問題と共に,今後リハビリテーション医療にとって重要な課題となっていくと思われる.そのなかでも,特に重度障害者を抱えた家族の苦しみは,彼ら自身も生活の連続性を断ち切られ,人生の変更を余儀なくされて途方に暮れているにもかかわらず,多くの場合,何らの心理的な援助を受けることもなく,経済的な生活問題と介護に直面させられていることである.
本稿では,家族への心理的アプローチの方法としての家族療法について概説し,そのリハビリテーション医療への応用について考察したい.また,特に家族介護者に焦点をあて,それへの具体的なアプローチの方法を事例によって示したい.
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