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編集後記
編集室
pp.378
発行日 1992年4月10日
Published Date 1992/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107067
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・桜も満開となり,花吹雪の下で飲み,唄い,踊り狂っている人たちを見ていますと,巷間噂されている経済不況など,遠い国の出来事のように思えてきます.しかし,逆に見れば,それが事実なるがゆえに,今の一瞬を楽しんでいるのかも知れません.そう考えると,なぜか妙に微笑ましい光景として眼に映ります.
・この時期になると,数年前,ある病院を訪れた際に,地域リハビリテーションの一環として,ボランティアの方々と寝たきりの御老人をバスで運び,車椅子に乗せて桜花見物をしたときのことを思い出します.晴れわたる空の青さと薄桃色の花びらの舞いに,御老人の方々も遠い昔を偲ぶような穏やかな表情になっていました.それを眺めていて,ふと地域リハビリテーションの“本質”の一部を垣間見た気がしたものです.今月の特集にもあるように,地域リハビリテーションは最近再び脚光を浴びてきました.ネットワークやキーステーションをどう構築するか,残された課題は多いようですが,それを克服し,障害を持つ人たちに“さわやかな明日”を提供できるような社会の実現に期待するところ大です.
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