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編集後記
編集室
pp.284
発行日 1992年3月10日
Published Date 1992/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107042
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・今年の冬は予想に反して積雪も多く,厳しい寒さが続きましたが,塀越しに見える梅の花や海棠の蕾の脹らみから,春の訪れも真近に迫っていることが感じられます.春が近づくと,妙に心が浮き立つのは,冬眠中の動物や子どものみならず,中年男も同じようです.最近“老い”を身近に感じている小生にとっては,今こそ本格的な心身のリハビリテーションを始める時期といえそうです.
・冗談はさておき,今月の特集はリハビリテーション場面における心理・精神面にスポットを当ててみました.障害者の問題を論じる場合,死の“受容”と同様,小生などは常に障害児誕生の際の両親の衝撃や,成長過程で障害を受けた際の本人のショック,そしてそれを克服し,その後の障害の“受容”と立ち直りへ到る経緯に想いが行ってしまいます.本号では本田氏らがその問題について論及しておりますが,その経緯を知ることは,リハビリテーション関係者にとって必須の事項といえそうです.さらに本号では“リエゾン”の必要性,精神障害者のリハビリテーションの問題,老人の問題行動に対する行動療法の効用が論じられております.心理・精神的サポートを必要とする際の理論的バックボーンとなることでしょう.
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