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編集後記
編集室
pp.578
発行日 1990年7月10日
Published Date 1990/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106317
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福岡市で開催された第27回日本リハビリテーション医学会も盛会裡に幕を閉じ,これから本格的な夏を迎えようとしていますが,読者の皆様方は早くも来年の学会へ向けて新たな研究のスタートを切られたことと思います.弊誌も皆様の学究心に少しでも応え得る内容とすべく,来年度の新企画に着手しました.今回は特に編集同人をはじめ40名以上の方々にアンケートをお願いし,特集や講座,その他の連載欄に関して多くの貴重な御意見をお寄せいただきました.皆様の“声”はどんどん誌面に反映させ,さらに内容の充実を図っていきたいと考えております.なお一層の御指導,御鞭撻をお願い申し上げます.
さて,今月は「社会リハビリテーションの新しい動き」と題し,現時点での社会リハビリテーションの動きと新たな問題点を浮き彫りにしてみました.小島氏には歴史的な流れの中で国際的な動向を,また定藤氏にはアメリカで起こった自立生活運動の社会リハビリテーションにおける意義と役割をQOLとの関連の中で言及していただきました.そして今後対応が迫られるであろう内部障害者,特に腎機能障害者の問題を小林氏に,精神障害者に関しては特に生活技能訓練に焦点を絞り,その基本的特徴とアメリカにおける動向,また我が国における可能性と課題を熊谷氏らに解説していただきました.最後に,調氏には年金制度に絡めて障害者の所得保障の問題を論じていただきましたが,総じて言えることは,社会リハビリテーションは障害者およびその家族と国,地方自治体などの行政サイドが連携してシステムを構築し,その中に医療や教育,企業がいかに有機的に参入していくかが大きな鍵となるようです.
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