特集 リハビリテーションと精神・心理
今月のハイライト
pp.193
発行日 1992年3月10日
Published Date 1992/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107021
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■障害の“受容”から“適応”へ
障害をいかに“受容”していくかという問題は,リハビリテーション医療の中に障害者心理学をいかに取り込んでいくかという問題でもあるこれに関する歴史は1940年代から現在に到るまで連綿と続いている.ただ,筆者(千野)は以前よりリハビリテーション医療の場では障害の“受容”(acceptance)という受動的な意味合いの言葉より,障害の“適応”(adjustment)という能動的な意味合いの強い用語を用いたほうがよいと提唱してきた(からだの科学10:129-131,1979参照).本号特集の最初の著者である本田氏も最近は“同化”(assimilation)というような言葉を用いるようになったと記憶しているしかし,今回の論文は残念ながら主として文献学的考察に終始した感が拭えない.リハビリテーション心理学をライフワークとしている先達の1人として,次回は忌憚のない意見を述べられることを期待したい(本田哲三氏ら,195頁).
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