書評
高松鶴吉・繁成剛著(北九州市立総合療育センター)―障害児のためのテクノエイド
水落 和也
1
1横浜市立港湾病院リハ科
pp.74
発行日 1989年1月10日
Published Date 1989/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105995
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
著者らはこれまでにいくつものユニークな座位保持椅子を考案・製作し,学会発表に留まらず商品化にまで発展させてきている.最近リハ医学会においてもSeating Systemがトピックスの一つになっているが,この領域で著者らが果たしてきた役割は極めて大きい.
本書は著者らがこれまでに開発した障害児のための座位保持椅子をはじめとする様々な道具の集大成であり,カタログのようでありながら学術書に近い内容を含んでいる.序章では北九州市立総合療育センター誕生までの歩みと,そこにリハビリテーション工房を持ち,スタッフとして工業デザイナー(繁成氏)を参加させるに至ったいきさつが述べられていて興味深い.ここには障害児療育に対する著者らの哲学と情熱が語られ,障害児に対する深い愛情が満ちあふれている.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.