Japanese
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特集 脳卒中の急性期治療
脳卒中急性期の治療―急性期の外科
Surgical Treatments for Stroke in the Acute Stage.
加川 瑞夫
1
Mizuo Kagawa
1
1東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Neurologcal Institute, Tokyo Women's Medical College.
キーワード:
stroke
,
acute stage
,
operative treatments
Keyword:
stroke
,
acute stage
,
operative treatments
pp.111-114
発行日 1988年2月10日
Published Date 1988/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105768
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いとぐち
脳血管障害急性期の外科治療の目的は中枢神経系が循環障害によって急速に不可逆的変化をとりつつある状態をくい止め,可逆性を確保することにある.したがってどのようにしてなお可逆性が存在するかを知ること,また外科的手段を可逆性が温存されている時間内に行い得る範囲はどこまでかが最も重要な課題であると言えよう.このような観点から急性期脳血管障害の外科治療の有効性を見るとき,現時的では未だ不充分であると言わざるを得ない.すなわち急性期の病態が次第に明らかになるにつれて,外科的手段が有効である時期,言い換えればoptimal timingは極めて狭い時間帯にしかないのである.しかしながら近年,脳の保護物質の開発が精力的に行われており,脳の不可逆的変化までの時間の延長が可能となってきている.この事実は外科治療が立ち入れる場を広げてくれていることを物語っている.
本稿では最近の知見に注目しながら,脳血管障害急性期の外科治療についてふれてみたい
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