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編集後記
上田 敏
pp.896
発行日 1986年11月10日
Published Date 1986/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105705
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朝夕は肌寒さを感じさせられることが多くなったが,空気が澄んで遠くの山がよく見え,すがすがしい気持で仕事にとり組めるよい季節である.
今月は失行・失認の特集をお届けする.このテーマの特集は過去にも何回か行ってきたが,今回は論文数は少いものの注目すべき力作揃いである.まず秋元氏という,日本におけるこの分野の草分け的な存在であり第一人者であると共に,現在も現役として全国で唯一の在宅失語患者のための共同作業所にも関係しておられる長老に,この問題の史的展望を書いていただけたことである.秋元氏の最初の失行に関する論文は1932年という筆者の生まれた年に書かれており,「失行症」という古典は1935年に出されている.その後半世紀以上を経て,今なお若々しい秋元氏の情熱が伝わってくるような論文である.
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