Japanese
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紹介
膝関節エレクトロゴニオメータとフートスイッチによる歩行の計測―製作と使用の容易な一方法
Knee Electrogoniometer and Foot Switch for Measuring Gait Pattern.
田中 繁
1
,
山田 道廣
1
,
伊東 元
1
,
岩崎 富子
1
,
岩倉 博光
2
Shigeru Tanaka
1
,
Michihiro Yamada
1
,
Hajime Itoh
1
,
Tomiko Iwasaki
1
,
Hiromitzu Iwakura
2
1東京都老人総合研究所リハビリテーション医学部
2帝京大学リハビリテーション部
1Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology.
2Department of Rehabilitation, Teikyo University.
pp.615-618
発行日 1979年8月10日
Published Date 1979/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104456
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はじめに
カリフォルニア大学などにおいて組織的に歩行分析が行われてから既に20年以上が立ち1),日本においても多くの施設で研究が進められている.これらの研究では,床反力のX,Y,Z成分,着力点の軌跡,あるいは歩行に関与する各関節の角度変化等の計測に関心が置かれている.しかし,このいずれの項目を計測するにしてもかなり大きなシステムを必要とするために,少数のスタッフがリハビリテーションの現場でルーチンとして,計測するには必ずしも適していないように思われる.
これに対し最近では,医師や理学療法士が臨床の場で簡単に使用でき,しかも信頼性のある歩行計測装置に関する発表もある2).
筆者等はこれまで,脊髄損傷や片側麻痺などの療法を進める上で重要と思われる動作の筋電位分析を行っている3,4).また最近,同様な観点より,四つ這い,膝歩き,歩行など移動動作に関するいくつかの筋の筋電位分析を始めており,これまで一般に述べられてきた知見とはやや異なる結果をも得ている5).
この過程で,筋電位と同時に膝関節角度測定と,歩行周期測定を行うためにそれぞれ,エレクトロゴニオメータとフートスイッチを製作した(図1).エレクトロゴニオメータやフートスイッチはこれまでにも多くのものが作られて発表されているが6~8),今回製作したものは,製作も使用も容易にでき,前述したような臨床の場面でも十分に役立つと思われるので報告する.
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