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編集後記
大川 嗣雄
pp.859
発行日 1977年11月10日
Published Date 1977/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103881
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本号は非外傷性脊髄麻痺を特集した.外傷性脊髄麻痺,すなわち脊髄損傷に比べて,リハビリテーションの領域では,SMONに対する一連の報告,小児における二分脊椎等の他,余りまとまった非外傷性脊髄麻痺の報告はなかったように思われる.この点については,多くの事が考えられるが,安藤氏の論文に見るように,多くの疾患が,多彩な症状と経過を示すこと,これによって,リハビリテーションの立場から,残存機能の評価,疾病の全経過に対する評価も困難なことが多いこと等は斎藤氏等も指摘している通りである.
しかし,現実的に考えると,外傷による脊損よりも数の上では圧倒的に多いと考えられる非外傷性脊髄麻痺を,リハ医学の立場からは,その多くが不全麻痺であり,脊髄に起因する麻痺と言う観点から考えて行く必要が感じられる.本特集は,全体として実践の域に達しているとは言い難いが,いずれの論文も,この問題に関しての,今後の引き金としての役割を十分に果し得るであろう.本特集が,非外傷性脊髄麻痺のリハビリテーションの進歩にいささかでも貢献できれば幸いである.
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