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編集後記
大川 嗣雄
pp.492
発行日 1991年4月10日
Published Date 1991/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106814
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桜も散り,青葉が美しくなり始めたこの頃です.1年のうちで最も美しい季節を迎えています.季節の移り変わりは,人間の一生を示唆しているようにも思えます.春はまさに青春そのものです.しかし,やがて春は去り,夏,秋を越えると冬がやってきます.冬は人間にとって試練の時とも言えます.冬は老年期に例えられましょう.人の一生の中でも,最も多くの問題を抱えているのは,言うまでもなく老年期です,リハビリテーション医学に携わる者にとっても,老年期の人たちの問題は,現在はもちろん,今後ますます重要な問題になってくるでしょう.
そこで,本号は「老年者とリハビリテーション」に関する特集を,しかも増大特集としてお届け致します.まず我が国の老年者のリハビリテーションの第一人者である横山先生の序論から始まり,大きな枠組みとして“Ⅰ.老化の基礎”,“Ⅱ.老化の障害学”,“Ⅲ.リハビリテーション医学”,“Ⅳ.リハビリテーション・サービス”に分けました.特にⅡの老化の障害学では,impairment,disability,handicapに分け,老年者の障害学の新しい視点をつくり上げたいと考えました.さらに各枠組みの中では,できる限り多くの問題を網羅したつもりですが,誌面にも限りがあり,代表的な問題だけにとどまっている項目もあるかと思います.しかしながら,各論文は,その方面のオーソリティから新進気鋭の若手研究者によって著されていますので,必ずや皆様の御期待に沿えるものになったのではないでしょうか.
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