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実践講座 リハビリテーションにおける精神症状への対応・2
性格変化―とくに脳血管障害と頭部外傷を中心として
Character change in organic disorders.
安野 みどり
1
Midori Anno
1
1東京都立松沢病院神経内科
1Department of Neurology, Tokyo Metropolitan Matsuzawa Hospital
キーワード:
脳器質性障害
,
性格変化
,
脳器質性疾患
Keyword:
脳器質性障害
,
性格変化
,
脳器質性疾患
pp.481-486
発行日 2007年5月10日
Published Date 2007/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100852
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はじめに
リハビリテーションにおいて,多数の疾患や重い障害を有している人ではリハビリテーションに時間を要し,その効果がみえにくいことは経験するところである.これに加え,肺炎,心疾患,肝機能障害や褥瘡等々の多くの合併症により,リハビリテーションが停滞し,ときには治療の中断へと追い込まれることもある.その結果,廃用症候群や,運動機能の低下をきたし,ある人では入院期間の延長,家庭への復帰が絶望的になることもある.
しかし,障害の重症度や身体的合併症だけがリハビリテーションを阻害するわけではない.従来あまり論じられてこなかったが,本稿で取り上げる性格変化も,リハビリテーションを阻害する要因の一つに数えることができるだろう.この性格変化は,脳器質性障害によって生じ,多くの論者によって古くから記載されてきたものである1,2).本論では,とくにリハビリテーションでみられることの多い脳器質性疾患(脳血管障害や頭部外傷後)のそれを中心に述べる3).
精神科領域で論じられる人格障害や,幻覚・妄想などはここでは触れない.
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