実践講座 嚥下障害 4
口腔・舌機能の評価と対応―発達と障害
向井 美惠
1
Yoshiharu Mukai
1
1昭和大学歯学部口腔衛生学講座
1Department of Hygiene anf Oral Health, Showa University School of Dentisty
キーワード:
口腔形態変化
,
舌運動発達
,
口腔機能評価
Keyword:
口腔形態変化
,
舌運動発達
,
口腔機能評価
pp.355-360
発行日 2004年4月10日
Published Date 2004/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100563
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はじめに
口腔機能の評価とそれに基づく訓練を行う際には,機能遂行の場である口腔の形態の個人差が大きいため,機能評価に先立って歯や口蓋などを診査して,口腔・舌の機能の可動性や運動範囲を評価することが不可欠である.
発達期の小児の嚥下障害に対しては,脳性麻痺児に対する理学療法,作業療法と同様に,成長に応じて嚥下障害に対する摂食機能療法が必要となり,脳卒中などによる嚥下障害への対応に比べ長期間の治療対応が必要となる.
また,嚥下障害を狭義に捉えて,嚥下反射が誘発される咽頭期のみについての評価と訓練では,特に摂食・嚥下の機能全体の発達が遅滞している発達障害児の場合には,嚥下障害の改善は望めない場合が多い.ここでは,発達障害による嚥下障害を意識しながらも,成人・老人を含めて口腔・舌機能の評価と機能療法による対応について提示したい.
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