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はじめに
理学療法士(Physical Therapist),作業療法士(Occupational Therapist),言語聴覚士(Speech-Language-Hearing Therapist)といった専門職はセラピスト(Therapist)と称され,現在では医療機関,介護保険施設,身体障害者更生援護施設,児童福祉施設,訪問看護ステーション,教育研究機関,行政機関,保健・健康施設などで,それぞれの業務を行っている.多くの主要先進国では,これらのセラピストに開業が認められているが1),日本ではそれが明確にされていない.そこで,セラピストの開業を取り巻く多様な要因のなかから,法律を中心にセラピストの自律性(Autonomy:独立しており,他から指示を受けない,独自の判断による行為が可能)と,その範囲,就労形態などについて述べる.
法
1.医行為と医師の指示
「医師法」(1948年)第十七条には,「医師でなければ医業をなしてはならない」とある.この「医業」とは,「医行為を業として行うこと」であり,この「医行為」とは「人の疾病の診断に向けられた行為」,「医師が行うのでなければ保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為」,「業」とは「反復継続の意思をもって医療行為をなすこと」を言う2).
このような「医行為」には,「絶対的医行為」と「相対的医行為」が存在し3),「絶対的医行為」とは「医師が常に自ら行わなければならないほど高度に危険な行為」,それ以外で医師の指示の下に行われる医行為を「相対的医行為」と言う4).この「相対的医行為」を医師以外の医療業務者に行わせるか否かは,医師の判断に委ねられているが,現在ではそのほとんどをコ・メディカル(ここでは,看護師,理学・作業療法士等を指す)が行っている.
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