Japanese
English
研究と報告
過活動膀胱を引き起こす脳出血の病態特性―脳画像所見と尿流動態検査から
Overactive bladder after initial unilateral hemispheric hemorrhage: analysis of the neuroradiological findings and urodynamic studies.
大西 次郎
1
Jiro Ohnishi
1
1兵庫県立総合リハビリテーションセンター
1Hyogo Prefectural Rehabilitation Center
キーワード:
脳出血
,
過活動膀胱
,
排尿筋過活動
,
尿流動態検査
,
脳画像所見
Keyword:
脳出血
,
過活動膀胱
,
排尿筋過活動
,
尿流動態検査
,
脳画像所見
pp.61-68
発行日 2007年1月10日
Published Date 2007/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100450
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要旨:脳出血片側性初回発作の回復期から慢性期にかけて,過活動膀胱症状(以下,症状)を増悪させる要因を検討した.対象は,発症3か月以降に尿意切迫,頻尿,切迫性失禁が残存する視床出血24例,被殻出血40例である.週3日以上の症状を呈する高度群32例では,2日以下の軽度群32例に比し,機能的膀胱容量の減少,排尿筋過活動の発現,最大等尺性排尿筋圧の上昇をみた.高度群では,視床出血の比率が高く,また出血対側半球内に先行・潜在性病変が認められる傾向にあった.視床出血では,機能的膀胱容量が減少し,先行・潜在性病変例では最大等尺性排尿筋圧が上昇するが逆は有意差なく,両者は異なる機序で症状にかかわると推察した.左出血26例は,右38例に比し,排尿筋過活動の発現,最大等尺性排尿筋圧の上昇をみるが,症状に差はない.症状へ結果的に関与しない所見でも複数の排尿規制が相殺する場合があり,慎重な評価を要する.
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