Close-up 身体内滑走
神経の滑走
河端 将司
1
,
宮武 和馬
2
,
宮田 徹
3
Masashi KAWABATA
1
,
Kazuma MIYATAKE
2
,
Toru MIYATA
3
1北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科
2横浜市立大学附属病院整形外科
3相模原協同病院医療技術部リハビリテーション室
キーワード:
長軸滑走
,
短軸滑走
,
伸張
,
緊張
,
超音波ガイド下触診
,
ハイドロリリース
Keyword:
長軸滑走
,
短軸滑走
,
伸張
,
緊張
,
超音波ガイド下触診
,
ハイドロリリース
pp.702-706
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202706
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神経は滑走するのか?
「神経は滑走するか?」と疑問に感じたら,百聞するよりまずは動画をご覧いただきたい(正中神経:▶動画1,図1).関節運動に伴って,正中神経が長軸上に近位,遠位に移動する様子が見える.筋や骨はあまり動いていないように見えるが,正中神経は手関節や頸部の動きに合わせて移動しており,非常に興味深い.まるで一本の紐が滑り動くように身体内で神経は移動している.神経の「滑走(sliding,gliding)」と「移動(excursion)」は厳密には異なる概念であるが,本稿では「滑走=滑るように進む」として同義で扱うことにする.
また,神経は引っ張られてゴムのように緊張(伸張)する機能をもっており,これを「伸張(tension,strain)」と呼ぶ.神経が滑走できないと過剰な伸張が生じてしまう1).この「滑走」と「伸張」の相互関係は,神経障害を考えるうえでキーワードとなる神経の機械的機能である.
*本論文中,動画マークのある箇所につきましては,関連する動画を見ることができます(公開期間:2025年6月30日).
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