連載 臨床実習サブノート 診療参加型臨床実習—「ただ見ているだけ」にならないように!・2
骨接合術後の大腿骨近位部骨折症例
川端 悠士
1
Yuji KAWABATA
1
1山口厚生連 周東総合病院リハビリテーションセンター
pp.584-588
発行日 2021年5月15日
Published Date 2021/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202316
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はじめに
わが国において大腿骨近位部骨折は経年的に増加しており,今後も患者数が増加することが予測されます1).また大腿骨近位部骨折は回復期リハビリテーション病棟の主要対象疾患となっており,臨床実習生が評価・治療に携わる機会も少なくありません.診療参加型実習では検査・測定や治療を「見学」→「協同参加(模倣)」→「監視(実施)」といった過程を経て段階的に学んでいきます.
実習の初期段階には「見学」が主体となることが多いですが,この「見学」の段階に傍観的態度(ただ見ているだけ)で実習を行うのではなく,自身が診療チームの一員だといった意識をもったうえで主体的に実習に参加することが重要です.また「協同参加」や「監視」といった学習段階へ円滑に移行するためには,疾患に関する知識の理解も重要ですが,「見学」の学習段階で指導者が理学療法評価・治療をどういった意図で行っているのかを理解することが重要となります.本稿では骨接合術を実施した大腿骨転子部骨折例を対象として,実習生が検査・測定や動作分析を行ううえで何に着目すべきかを解説します.
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